wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

泉湧寺から東福寺へ

講義終了後に、泉湧寺・東福寺と附属の塔頭群を廻る。京都の研究をして、新善光寺などの文書を使っているにもかかわらず、これまで実見したことがなく、東福寺で期間限定の特展が開かれるのを契機に行ってみた。泉湧寺は思った以上に大規模な寺院で、近世・近代の整備もあろうが、少し印象が変わった。準備不足で御座所に入らなかったが、あとでパンフレットを見ると近代になって御所から仏教的要素として排除された海会堂・開山俊芿像があったようで、見られたかもしれない。また付設の律院は近世・近代に集められたようで、その点も興味深い。東福寺も実見すると中国的な大規模な禅宗寺院であることが体感できる。とりわけ東司(便所)は中国的な間仕切りのないもので圧巻だった。特展では元亨釈書の原本や、漢詩文集が展示されており、数は少ないながら見応えがあった。ここでも駆け足で廻ったため六波羅門・月下門といった鎌倉期とされる建築を見逃してしまったが、天候もよく観光客もさほど多くなかったため、堪能することができた。鎌倉期の京都を代表する律院と禅宗寺院が、この地に建てられているのも興味深い。六波羅との関係、鴨川との距離などいろいろ想像がふくらむところである。写真は東福寺東司内部
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