wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

増田美子編『日本衣服史』

古書店で安く手に入ったので購入し、火曜日までに読了した。執筆者4人全てお茶の水女子大学大学院家政学研究科被服学専攻の卒業生ということもあって、衣服の形態に関する叙述が殆どだが、図版が少ないため理解するのが非常に困難だった。有職故実ぐらいわからないと、と思いながらも能力のなさを痛感する。やはり普段から着るものに関心がないのが、根本的な要因だろう。そのなかで興味深かったのが喪服の変化で、白系統のものが古代に中国から黒系統が入り、それが白系統に戻って、近代になって黒系統が西洋から入るというもので、ズボン・椅子などと共通の動きが見られるようだ。身体の歴史を考える上では重要なテーマになるだろう。