wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

『新修大阪市史史料編第四巻 中世Ⅲ』

連日の投稿になるが、先月書店で購入してようやく通覧できた。編年は明徳4年から天正10年までで、戦国部分については大坂城編に本願寺関係の史料が入っているので、それらは省略されている。ほとんどが刊本で、もう少し頑張ってほしかった気もするのだが、今の状況ではやむを得ないところか。その中で戦災で焼失した広田神社文書・今宮村文書について、大阪市史編纂所所蔵幸田成友影写本から採録しているのは貴重。中には史料編纂所の影写本で見なかったものあるような気がするが、そういうものがあったことも初めて知った。編年と別に大阪の寺社編があり、天王寺執行引付・天王寺金堂舎利講記録が再翻刻されているのはありがたい。前に少し史料編纂所で刊本を校訂したことがあるのだが、これが使えそうだ。お蔵入りになっている論文を何とか仕上げなければならない。また住吉社について新たに3点の記録が翻刻されている。これは全く知らなかったもので、今の問題関心とドンピシャのものもあり、ありがたい。なお大阪市内の一部の書店の他、大阪市史料調査会でも購入可能http://www.oml.city.osaka.lg.jp/index.php?key=job1ii90f-6078#_6078