wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(お仕事募集中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

「鹿の国」

そうして最終目的地は表題の映画鑑賞。貧乏なのでサービス・ディしか利用しないのだが、前エントリーの事情とその後のスケジュールを勘案して出かけたもの(Googleマップで単純計算すると自転車で9.1㎞、往復旅費400円節約)。中世文書に登場する子どもを大祝および神の使とする「御室神事」、諏訪講式の復元と実際に僧侶が神前で読誦し大般若経転読、という二つの儀礼と、前者に携わる移住者の最初の米作りの記録、鹿猟に従事する猟師、伊那でのある同族一門による「ミシャクジ」神事などをあわせたもの。いくつかの中世史研究者の反応を見かけたが、それぞれは非常に興味深く、こういう取り組みが行われていることも初めて知った。「御室神事」における賑やかにはやし立てる村人役の大人と、特定の場面以外ではしゃべることすら許されない子どもの対比も鮮やか。なわ猟がおこなわれ、解体した鹿の鮮血がせせらぎを流れるのも衝撃的。ただ稲穂の成長を高速倍速にしたものが何度も挿入されるのがうざいのと、ナレーションの男女は落ち着いた声のほうがよかった。なお客層は意外と若く、しかもそれなりの入りだったのは驚き。

映画「鹿の国」公式サイト