本日、サービス・ディを利用して観覧。公開初日の第1回目ということもあり、入りは8割ぐらい、開幕前には民放のカメラも入っていた。監督が松江哲明問題の際に擁護にまわったなどという批判もあるようで、妙に性愛に振っているところなどに垣間見られるのだが、よくできた映画だと思う。風俗考証も違和感は感じなかったし、旅順虐殺事件、三・一独立運動の際の虐殺事件、シベリア出兵、水平社創立宣言、デモクラシー、社会主義、労働争議、モダン・ガール、村と都市の圧倒的格差、村落内のエリートとノン・エリートさらに在郷軍人会、といった当時の全体状況をちりばめながらストーリーが展開し、震災後も刑事の流言流布、東京での朝鮮人狩り、官憲による社会主義者の惨殺、などに目配りしながら事件へとつなげている。旅立ちと帰還、帰郷と離郷として、落ちもついており、韓国映画のような大作は創れない以上(東京をちゃんとやるのはかなりの予算が必要、ちょうどよい題材だったのではないか。善人がこんなことに、というのがあればよりよかったのかもしれないが、そのへんは専門研究者の評も聞きたいところ。それにしても田中麗奈は相変わらずいい・・・。