wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

「マルモイ ことばあつめ」

月曜日の講義は先週で終了。夜にはじめてのZOOM会議があったが(他の方は慣れており、こちらは最初はかなり戸惑った)、昼間はつかの間の空白を利用して、コロナ拡大中の大阪に出て新刊書購入と月曜男性デーを利用した表題の映画鑑賞にあてる。席は一人おき、もぎりなしでスタッフはフルフェイスガードという状況で、観客は20人程度、といっても着メロを流す不届き者がいたが・・・。日本植民地当局による弾圧で獄中死二人を出した朝鮮語学会事件という実在の出来事をモティーフに、本来参画し得ない非エリートを主人公にした物語作品。相変わらずセットはすばらしく、主人公のトリックスターぶりによってエンターテインメント性にあふれた作品になっている。ただ結局弾圧されるのでどういうふうに落とし前を付けるかと思っていたら、まさかの感動的なオチで涙を拭うのが大変だった。惜しむらくは官憲をはじめとする日本人役の言語の不自然さで、「チョーセンジン」とバカにしたイントネーションは特に違和感。いつか日本人俳優が日本国内での批判を浴びることなく演じることでき、「親日派」の葛藤が描かれたような、より深みのある作品が登場することを願いたい。

マルモイ ことばあつめ