酒井紀美『戦乱の中の情報伝達』
本日は河原町丸太町には寄らず、非常勤先の図書館で授業準備のための史料を物色して早々に帰宅。電車読書のほうは、刊行時から気になっていたものの、諸事情から購入の機会を失ってしまい、いまさら図書館で借りてきたものhttp://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b147014.html。寛正から応仁にかけての新見荘現地と直務支配をすることになった東寺とのやりとりが、生き生きとしたタッチで描かれている。著者が記すように史料群自体も希有な情報量を有しているのだろうが、それを読み解き在地社会が蓄積していた力量を浮かび上がらせる手腕はさすがと言うよりほかない。また不勉強としかいいようがないが、門指クラスや、矢野荘田所が使者として派遣されていることや、京上夫の実態についてなど初めて知ることが多かった。応仁の乱勃発に際して新見荘田所の「天下うちかへす程」「今の時分ハ、ゐ中も京都も、うて(腕)を以てこそ」といった時代を捉えた詞も大変興味深い。ふり返って自らは今という時代をちゃんと認識できているのだろうか。内田樹氏の安倍晋三論はわりと面白かったが・・・http://blog.tatsuru.com/2014/11/26_1711.php。阿蘇山が噴煙を上げているらしい。いろいろな意味で心配、惨事にならないことを願うばかり。