引き続き3/3:7:00起床・朝食。8:00貸し切りタクシーで波戸岬へ。もともと気温
は10℃に満たず体感では瞬間風速20mを越える強風が吹き荒れていたため非常に寒かった。しかしそれが幸いしてか、もやに包まれていた前日と異なり眺望は絶景。写真右手は松島で、その左手には壱岐が見え、写真では不鮮明だが対馬も視認することができた。対馬がみえるのは年に数日ということらしく強風のおかげ(左は馬渡島)。続いて島津義弘陣跡(やたらと方形区画がある)・佐竹義宣陣跡(外郭線が意識される)。足利義昭陣跡(幹事の希望だったが破壊されて跡形もなし)・徳川家康陣跡(構造は意外とシンプル)をめぐる。陣跡の人名は近世後期に史料によるもので必ずしも正確ではないということだが、石積み・縄張りなどはかなり個性的で、豊臣マニュアルと各地の技法の折衷という印象を受けた。それにしても大量の陣城が構築され10年も経たずに放置されたというのは、地域社会にとってどういう状況だったのかその後の土地利用を含めて気になるところ。11:00には路線バスで名護屋を発ち、リアス地形を上り下りしながら呼子経由で西唐津に到着。駅周辺には何もなく急いでコンビニで食糧を調達し佐賀に向かう鈍行に乗車したため、車中から唐津城を確認したのみ。山越えをして佐賀平野に出ると風景はリアス地形の北側とは全く変わり、無数のクリークが目に入る。13:50佐賀駅着。バスで佐賀城に向かい、復原された本丸御殿内にある歴史館を見学。もう少し佐賀城下町の展示があるかと思ったが、重点はお約束の幕末・維新発展史。ただしカンパ箱があるだけで入場料はとらない太っ腹。続いて佐賀城・与賀神社(楼門は室町の建築)・龍造寺隆信誕生地(周囲に戦国期の石造物あり)・材木町・長崎街道を歩く。微地形の高いところに町屋が立地し、佐賀城周辺を初めクリーク由来の水系が多数確認できる。左の写真も佐賀城西側の堀といえば堀なのだが(奥が場内)、わざわざ掘ったのではなくクリークを利用したもので、絵図では惣構のように見えたのも(十間堀川)同様だろう。さすがに三日ともなると一行も疲れ気味で足取りも重かったが、夜の地酒はどの銘柄も大変おいしい。イメージは全くなかったが日本酒のレベルは全国的に見ても高いのではないか。むつごろうなど有明海産らしい泥臭い魚介類も食べることができ大変よかった。宿はモーニング付で3900円のビジネスホテル。暖房を付け忘れ風呂上がりが寒かったが部屋は広く快適だった。