wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

「京の冬の旅」ほか

今日は北山が休館ということで、北大路から歩いて「京の冬の旅」企画http://www.kyotojoho.co.jp/event/2012/1/index.htmlで特別公開されている塔頭光明寺と法堂・開山堂を見学する。前者はもともと伏見にあり、偶然にも月曜日に自らの将来を暗示させるとある用件の後に立ち寄ろうとして道が分からずたどり着けなかったところが故地で、天皇陵の代わりに崇光の位牌を見ることができた。法堂はその内部空間の大きさと天井画に圧倒され、開山堂は夢窓は中心にあるとして義満の木造がもっとも左端に配置されているのは、おそらく創建時とは異なっているのではないか。それぞれ600円は少し高い気もするが目の保養にはなった。その後は同志社前からバスで次の目的地に向かう予定だったのだが、寸前で逃してしまい思った以上に本数が少なかったため、急遽気が変わり河原町丸太町に徒歩で向かう。途中に盧山寺などにも立ち寄ったとはいえ、結局は北大路からひたすら歩いたことになる。写真帳めくりは最初の二箱はごく少数の中世文書の写し以外は近世文書ばかりだったので、次の二箱を終えて特売の卵を買うために早めに出ようと思っていたらその途中からいきなり中世文書がはじまり予想外の展開に。非常勤先のロッカーに筆入れを置いたままにしてしまったためルーペがなかったのは失敗だったが、算用状が多数あり大坂への路銭がやたらと支出されているのが目につく。しかも最後に新関の売券・売木帳といったとんでもない史料にぶち当たり、結局出たのは閉館五分前で道路はぬれ冷たい小雨が降っていた。予想通り卵は売り切れてしまっていたが、思いがけない収穫となった。写真は開山堂の庭園でHPは江戸中期とするが、現地では室町期と説明されていた。
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