wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

『鎌倉遺文』補遺編・東寺文書

金曜日のノーマイカーフリーチケットがなくなってから難波に立ち寄ることが少なくなっていたのだが、本日は年寄の様子伺いに寄る事情もあり、800円に値上がりしたエンジョイエコカードを利用して、古本屋に立ち寄りたまたま当たったのが表題書。『鎌倉遺文』は個人がまとめた史料集としては平伏するしかないのだが、編者の九州大学早稲田大学という経歴もあり畿内の文書集としては、やはりかなりの脱漏がある。そのなかで最大が東寺文書で『鎌倉遺文研究』で紹介されていたが、それを増補して刊行されたもの。ある種の脱法行為とはいえ、やはり半値近い値段で購入できたのは久しぶりの幸運というところで、第二巻に巡り会うことを願うばかり。なおこの間の史料めくりの感触からすると紙背文書を除くとしても、『鎌倉遺文』に収録されている当該期の文書は四分の三にも満たないだろう。DBの公開がすすむ一方で、未翻刻文書を利用したかなり前の研究が生きているのもいびつな状況。そのあと新本屋に立ち寄ると平清盛本の乱立に驚かされる(某所で話題のものは売れ行き好調のせいか見当たらなかったが)。読まずに言うのもなんだが、相変わらずのメンバーには辟易させられる。