wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

京都文化博物館「北野天満宮 信仰と名宝」

本日は組合が支援する裁判の判決のため京都地裁へ。公判は一年半以上続き期待も高かったのだが結果は敗訴。専任との手当をめぐる差別を訴えたものだが、「著しく不合理とはいえない」が乱発された作文が理由…。おかげで気分よくとはいかなかったが、表題の展覧会を観覧www.bunpaku.or.jp/exhi_special/now/。北野社に伝わる神像類(10Cの鬼神蔵・吉祥天像、鎌倉期の天神、室町の渡唐天神など)がかなり集成されており、舞楽・延年を描いた鎌倉期の内陣の障子絵もはじめて知った。絵巻類も当然のこと、戦国から近世初期の屏風類が大量に出品されていて、風俗的にも興味深いものが多い。文書も著名なものとともに、室町期の祭礼費用に関わる新出史料もあったが、冊子を広げた紙が重ねられたもので、翻刻も示されていないため使えるものではない。B4なのが残念だが、図録も刊行されている。出版社刊行なので書店の方が安く購入できる気もしたがそれも入手。文安の麹騒動に関する論考には史料翻刻と近世絵図をもとにした当時の境内想定図があり、北野社を描いた未出品の絵画資料の集成、出品された屏風類の構図に関する論考などもあり有益。なお今週末までは総合展示で「古社寺保存法の時代」が同時開催されており、北野社も大打撃を受けた廃仏以後の京都における政策と修復に関する状況が概観できる。