wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

研究会2題

昨日はクローズドの研究会。午前中は西山の善峯寺・三鈷寺・十輪寺を案内していただき、午後は善峯寺参詣曼荼羅の報告を聞くという贅沢なもの。善峯寺は11世紀後半以後の由緒があり古記録にもちらほらと見えるが、多くの建物は退転し現存しているのは多宝塔がもっとも古く元和7年建立、他は徳川綱吉生母桂昌院が後援して建てられたものが大部分で、近代にも院坊が退転するなど改変がある。そのため参詣曼荼羅に記載されている建物が現存しているわけではないが、それでも実際に歩いてから報告を聞くと位置関係も含めて理解度が全然異なる。個人的にも前から気になっていながら実地しに見たことがなかったので、じっくり見学ができ大変興味深かった。報告も参詣曼荼羅の絵解き・三鈷寺との複雑な関係などいろいろ勉強することができ、夜のイタリアンも絶品で充実した一日となった(論集の原稿を出してしまってYYk氏から裏切り者扱いされたのには閉口したが・・・)。本日は大阪歴史学会で開催された「シンポジウム寺社と中世都市ー京都・博多・大坂ー」を聴講するhttp://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2010/sympuemachi2.html。半分以上が一般聴講者ということもあって報告は少し踏み込み不足という点で不満が残るものもあったが、科研でつくったという上町台地のGIS画像は圧巻で、遺跡・遺構・航空写真・地図などを重ね合わせて立体的にイメージできるものになっていた。せめてこちらも地図ぐらいは画像処理して使えるようになりたいところ。報告後は飲み会にも参加させてもらい、そこでもいろいろな方とお話しして勉強させて頂いた。写真は善峯寺にある宝篋印塔。慈円法華経を納めたと伝承されるが、鎌倉後期の律宗との関係を考慮に入れるべきか。
イメージ 1