wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

天理参考館「シャルジャ、砂漠と海の文明交流」

昨日に非常勤の授業の前に観覧してきた。シャルジャはUAE首長国の一つで、アラビア半島の西北端に位置しペルシャ湾オマーン湾にまたがる立地環境から、古くから交易拠点として栄えてきたらしい。発掘調査も50年来行われているようで、天理大学・金沢大学がそれに関係してきたことにより、開催されることになった巡回展で関西ではここのみとなる。紀元前数千年前からの土器などの遺物が展示されており、豊かな文化と変化の激しさを想像することができる。15世紀の遺物は明の染付、東南アジア産の磁器、ペルシャ産のコバルトなど多様で、この地が交易拠点であったことがうかがえる。また15世紀から19世紀にかけての地図史料も多数展示されており、地名からオスマンムガールなどの帝国の動向と、地図を作成した西欧の動向が現れたものとなっている。シャルジャ首長からのおみやげとして観光案内・CD(ともに英文・アラビア語)が自由に持ち帰ることができるようになっており、CDを今日開いてみると展示されていた地図がそのままデジタル化されていた。何かの機会に利用できるかもしれないが、さすが産油国だけあって太っ腹だ。ついでに前回時間の関係で十分に見ることができなかった参考館の考古史料もあわせて見学し、中国・朝鮮・日本の古い時代の遺物と対比できたのも有益だった。こうしてみると、日本列島文化のある文化を守旧的に引き継ぎ爛熟させ、急激な変化の後にまたそれを繰り返す状況が縄文から見られることが、改めて認識されるところ。それにしてもこれだけの考古史料が並べられるのはすごいものだhttp://www.sankokan.jp/exhibition/plan/80_sharjah.html。今日は新しく買ったアドビのソフトをインストールしてみた。某所からいただいている研究費が余ったため先週金曜日に衝動的にアカデミック・パックを購入し、証明書が私学共済の任意継続と大学図書館の利用証しかなくライセンスが得られるか焦ったのだが、昨晩メールでめでたくシリアル番号が得られた。フォトショップイラストレーターをマスターして地図が作れるようになりたいものだ。