wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

武家の古都・鎌倉世界遺産登録推進三館連携特別展

今朝は非常勤先が休講ということもあって、6:40新大阪発の新幹線に乗り新横浜へ。そこから地下鉄で館内まで向かい神奈川県立歴史博物館の開館前に到着するhttp://ch.kanagawa-museum.jp/tenji/toku/toku.html。文書(三浦和田系図もはじめてみた、人名のフリガナの有無の区別は気になるところ)・絵巻などとともに多数の考古遺物が展示されていたが、驚かされたのが木製品の残りの良さ。鎌倉の考古学というと輸入陶磁の豊富さと論者による編年の相違ばかりが目についていたが、漆器・版木・人形など大量の木製品が出土しているというのは恥ずかしながら初めて知った事実で、その比重の大きさは十分に念頭に置いておかなければならないところ。なおついでだから常展を簡単にだけ回ったが、こちらは教科書でなじみのものを複製で展示してあるという状況で、もう少し地域に密着すべきではという感想を持った。続いて根岸線京浜急行線を杉田で乗り継いで金沢文庫http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/bunko/tenji.html。こちらは最初に蒙古襲来後の日本図(解説は黒田日出男説を採用していなかった)があり、あとは和漢の典籍類が中心。解説を読むといろいろ勉強にはなったが、不勉強もあって展示資料そのものから読み取れることはやや少ない。それでも並べられているのはさすがの一級品。最後に京急とJRを乗り継いで鎌倉に向かい国宝館へhttp://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/24-10koto-kamakura.html。こちらは平安末からの仏像の優品に始まり、鎌倉武将の座像多数、さらに仏日庵公物目録など文書史料まで非常に豊富。最後の鎌倉で雨に降られるというアクシデントはあったが、何れでもいいものをじっくり見ることができた。図録も300ページでPCを抱える身としては重たかったが白黒の風景写真以外はオールカラーで1200円と格安。なお余談ながら鎌倉は平日で寒かったにもかかわらず大変にぎわっており、小町通りなどは歩くのも困難なほど。観光という意味では世界遺産にする必要があるのかは疑問。その後の行動についてはまた明日にでも。