明日がカレンダー通りということもあって、珍しく今週は四連休。そんなわけで本日は関西最後の秋の特別展巡りに出かけてきた(石山と和歌山は断念。来週も平日二日連続休みがとれたため、編纂所でのでの史料調査をかねて鎌倉関連展示めぐりをする予定は残っている)http://www.city.sakai.lg.jp/hakubutu/kikaku.html#tokubetsu。慶長地震の噴砂に始まり、伏見・京都・大坂・堺出土の考古史料が展示の中心。ちょうど偶然にも旧知の学芸員の方にすれ違うという幸運があり、担当された考古学の担当者が同業者に一対一で解説されているのに混ぜてもらうことができ、遺物を見る目のない身としては大変よい耳学問になった。おまけに充実した図録までいただきありがとうございました。興味深かったのは展示されている京都で出土したようなキリシタン墓地は堺では全く見つかっていないことで、堺でのキリシタンの広がりは大きくなかったらしい。また大坂でつくられた犬型土製品が西日本各地で出土しているらしく、安産のお守りと解釈されているようだが何故に大坂製なのかは気になるところ。本体である巡回展のほうも、行く前にチェックしていた鷹島神崎遺跡のモンゴル沈没船がらみのパスパ文字の印章・「てつはう」(思ったより小さかった)の他に、縄文の石棒製作センター、漆塗りの土器、弥生の大規模鍛冶集落が淡路島にあったこと、古墳の埴輪窯が唐津で見つかり朝鮮半島様式とも関係していること、古代太宰府周辺の窯跡で須恵器に「調」を示す刻印が記されたものなど、全く知らなかったものが多数展示されており大変勉強になるとともに、この間のアンテナの狭さが痛感させられた。往復に利用した杉本町駅の自転車置き場が有料となり、市大側出口のため反対側がシャッター通りになっているのも初めて知った。