wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

兵庫県立歴史博物館「出石焼ー但馬のくらしとやきもの」

本日は姫路で会議。JRが人身事故に加え、本来は神戸・明石間で抜くはずの快速(各駅)が行きすぎてしまって、遅れた新快速が西明石加古川間で詰まってしまうという、人為ミスまで重なり、大幅に遅れてしまったが何とか定刻に間に合う。来年度に向けての会議と文書の確認をした後に、表題の展覧会を観覧https://www.hyogo-c.ed.jp/~rekihaku-bo/official/exhibition-pl2.html。18世紀末に平戸の磁器職人に学んで生産が開始されてから、第二次大戦後の作家の作品までが展示。メインとしてHPにも上がっているのは、明治32年に出石陶磁器試験場に赴任した友田安清による「籠目小鳥細工花瓶」で、磁器で網籠をつくり、そこに巣の雛にえさをやるツバメを造形したもので、巣のわらの質感まで見事に再現されている。万国博覧会にも出品していたようですごい技術があったものだ。それとは別の意味で興味深かったのが、1928年生まれで豊岡の高校教員だった山口久喜という方(昨年亡くなられたということ)が、窯跡で陶片を採取して、同じく収集したした伝世品と対比することで、古伊万里と認識されていた日常雑器を出石焼と特定していったということ。昨年研究書を出版されたほぼ同世代の同じような経歴の方がいらっしゃるが、その努力には本当に頭が下がる思い。展示は明後日までだが、16頁のカラー図版が無料でいただけることもあり、おすすめ。その一方でとある情報で新しい小学校の学習指導要領を覗くとhttp://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/__icsFiles/afieldfile/2015/03/26/1356250_1.pdf、社会科は完全に戦前回帰の国家主義的な内容で固められており、誰が作ったのか「日華事変」という用語まで登場していた(p23)。ちょっと何とかしないとひどいことになりそうだ。