wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

兵庫県立考古博物館「丹波焼誕生ーはじまりの謎を探るー」

本日は業務の研究会が午前・午後に連続。ということで歴史博物館が改修工事中のため利用させてもらっている会場の展覧会を観覧。六古窯の一つである丹波焼について、かつては播磨の須恵器生産から展開したと考えられていたのが、渥美焼・常滑焼の影響から13世紀半ばに成立したとされるようになった経緯、ただ文様は渥美ではなく依頼者の意向を受けて和鏡などをまねて制作されたこと(蔵骨器として利用され、それが成立の契機)、中世の流通圏は限定され、現在も60ほどの窯元がコンパクトにまとまった形で存在し中世以来の様相を残していることが紹介される(窯構造は穴窯から近世に登り窯に転換)。展示には直接関わっていないが、研究会に参加している専門家に解説していただき大変勉強になった。展示品も清盛の福原邸との関係が指摘されている祇園遺跡出土品(渥美・土師器・青磁など)、成立期丹波焼の失敗したもの、蔵骨器として完形品に近い出土品など興味深い。図録までいただきありがたい限りだが、これもあと数ヶ月となってしまった。なお窯跡が住吉社領小野原庄に位置していることから、成立に住吉社の介在が推定されているが、そこまでいえるかは疑問。

秋季特別展 「丹波焼誕生-はじまりの謎を探る-」 | 兵庫県立 考古博物館