引き続き電車読書の備忘。夏前に何となく衝動買いしてしまったもの。1905年東北大凶作から1923年の関東大震災までの、飢饉・地震・桜島噴火・水害などについて、その概要と政府の対応、および国際社会との関わりについて叙述。1917年に東京に巨大台風があったなど災害そのものについて新たに知ったことは多かったが、災害時およびその後の生々しさについてはほとんど触れられておらず(関東大震災で若干)、公式報告書的な叙述に留まる。著者のオリジナルは海外とりわけアメリカからの支援と、日本側からのサンフランシスコ地震支援、それらと移民をめぐる軋轢への影響といった国際関係。アメリカとは緩和につながった一方で、日貨ボイコットを考慮した中国広東水害への義援金は限定的な効果しかなかったと総括。なお事実のみが指摘されるが、清朝だけでなく、関東大震災時にも中国からそこそこの義援金があったことに驚き。国際関係ということなら室戸台風などその後の状況についても触れてほしかったところ。