本日は阪大裁判傍聴、相手側弁護士はしどろもどろなのだが、まだ先は長い。水・木に遠出するという事情もあり、電車読書の読みさしを片付けておく。発売の翌週に書店に寄ったが手に入らず、第四刷版。ナチの権力掌握過程・支持の性格・経済政策・労働者政策・家族支援・環境政策・健康政策について、俗説を紹介した上で、その背後にある理念、実際の効果について解説し、「良いこと」とされる政策が、膨張を前提とした戦争体制、障害者・ユダヤ人排斥と不可分な健全なドイツ民族育成と、不即不離なものだったことを述べたもの。最初に事実・解釈・意見という歴史的思考力の三層構造、それぞれの研究分野の研究状況が紹介され、最後のブックガイドとあわせて、入門書として最適で、当方の講義資料の補訂にも使わせていただく。ただこのレベルの文章をどれだけの人々が理解できるのかが問題。