wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

秋道智彌・角南篤編『コモンズとしての海』

本日は枚方3コマ。2コマ目でなぜか大学貸し出しPCのWi-Fiが機能不全で今昔マップとひなたGISの紹介が途切れてしまうというハプニング。また出勤時に自転車を強行利用したため、帰りは雨の中カバンをゴミ袋に入れることに。電車読書のほうは書店で見かけ、安価だったため衝動買いしていたもの。12論文+10コラムが3章にわけられ、第1章「海から人類史をとらえなおす」の水循環と海の環境の変化、第2章「温暖化と海洋民」の歴史に振り返るケーススタディはいろいろ勉強になり、笹生衛「古代・中世の漁撈と沿岸環境」は疑似餌などの考古遺物と鎌倉の魚介類消費を紹介。ただ第3章「コモンズとしての海」は、タイトルに反して特に大きな問題点を指摘されずに国際条約における日本政府の取り組みが紹介されていると思っていたら、s編者の角南氏のおわりには2025年の大阪万博で締めくくられる。夢洲埋めたてて「命輝く」「海の万博」とは・・・。角南氏は政策研究大学院大学副学長、笹川平和財団海洋政策研究所所長を経て理事長とのこと。3章の執筆者も国を背負っているっぽい大学教員と研究所関係者が並ぶ(執筆者の一人の論考の詳細版は『気候安全保障 地球温暖化と自由で開かれたインド太平洋』に掲載されているとのことで、コモンズとはそういう意味だったのね)、道理で安価なわけだ。紙質がよく重たいが、最後に用語集も付されており、こんなものだということにしておく。

西日本出版社 海とヒトの関係学⑤ コモンズとしての海