wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

梶木良夫さんのこと

ご自宅で倒れて入院3日の29日にお亡くなりになったとのこと。ガンで腰の痛みなど自覚症状はあったらしい。ご冥福をお祈りいたします。

本日がお通夜で、S先生・I先生、同級のKさんなど(三人組のSさんもすでにお亡くなりとのこと)久方ぶりにお目にかかる方もあり、帰りも古代史のSさんとご一緒(お元気そうだが、ガンが再発したとのこと)。

梶木さんは、当方が大学院入学時にD6、ゼミには参加されていなかったが、何かとお世話になり、当方の最初の大学非常勤先もご就職の際に禅譲されたもの。船場のボンボンで人当たりはよく、仕事は丁寧。河音能平著作集の校正でも非常にきっちししていて驚いた。ただそれも一時は全く音信不通になり、肩代わりの相談を始めたところ。重要な研究にもかかわらず荘園政所研究でさして評価されていないように思える「荘園政所における記録の作成・保管と活用」(河音能平編『中世文書論の視座』東京堂出版)も、その原因の一端は別稿で予告されている「鵤庄引付」の料紙・筆跡などの詳細なデータが公表されなかったことにあると思われる。同じような状況が当方の把握しているだけでも片手を越えたこともあってか、学界からは遠ざかり、著作集の刊行で河音門下という枠組みもなくなったため、それからはお目にかかることもなかった。校正についてご相談した吉井敏幸さんはお送りすることすらかなわなかったが、今回はその機会を持つことができたことが幸い。改めて合掌。