wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

嘉戸一将『法の近代』

本日は千里山2コマ。またまたPC時計の勘違いで時間がないと思って終わらせたら15分も余っていた。GWは引きこもりだったので(にもかかわらずほとんど原稿が進まず・・・)、読みさしの表題書を読了、副題の「権力と暴力をわかつもの」に惹かれて購入していたもの。法が西欧におけるローマ法の再発見に由来するもので、そこから制定権力というパラドクスがどのように議論されていたかを辿った上で、近代日本での適用を論じたもの。ただそこで井上毅の「シラス」がキー・タームとして議論されるのだが、日本史を学んだものとして真っ先に思い浮かぶ鈴木正幸氏に全く触れられていない。本日、本書の元になったらしい著者の専門書『主権論史』も確認してみたが、そこの人名索引にも登場しない。こちらも不勉強で両者の見解の異同は理解していないが、鈴木氏の一般書『皇室制度』も同じ媒体から刊行されており、全く無視するのは研究者としても出版社としてもどうかと思うところ。法の近代 権力と暴力をわかつもの - 岩波書店 (iwanami.co.jp) 

本日、学術雑誌である訃報に接し驚愕。全く知らなかったが、お世話になった方で合掌。