wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

『学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か』

本日は所属先の研究会裏方で休日出勤、新出の近世文書に関する議論を勉強させてもらう。電車読書のほうは、当方は法的な意味での「研究者」かどうかは微妙なのだが(かつて付与された研究者番号でresearchmapに登録してあるが、「所属先」はない)、問題の深刻さに鑑み購入していたもの。当事者(執筆順で専攻は本書末の紹介に依る)である岡田正則(行政法)・加藤陽子(日本近代史)・小沢隆一(憲法学)・松宮孝明(刑事法学)・芦名定道(キリスト教思想)・宇野重規(政治思想史・政治哲学)が、この問題は自身の学問の方法論に基づき考察したもの。このうち加藤論考は、学術会議における軍事研究に関する議論を、歴史学的に分析したもので鮮やか。他の方も含めてさすが選任されるだけの知性というのはよくわかる。なお巻末に資料編として軍事研究に関する過去の声明が掲載されていて有益なのだが、2021年12月23日付「意見書兼口頭意見陳述申立書」が経緯を示した年表にも記されず、肝心の差出人が省略されているのはいかがなものか。

学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か - 岩波書店