wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

朝治武『全国水平社1922-1942』

本日は中百舌鳥1限、地下鉄で腹痛に見舞われあせったが、途中下車して事なきを得る。それでも電車読書はすすみ衝動買いしていた読みさしの表題書を読了。関与した人物に焦点をあてて、共産党系・無政府主義系・社会大衆党系・保守系・国粋系などさまざまな潮流が絡み合いながら、徹底的糾弾・社会的糾弾・人民融和的糾弾・挙国一致的糾弾といった路線転換の様相を描いたもの。この分野は不勉強で一部の活動家の名前を知るだけだったが、全体像がそれなりに理解できたが、中央の組織変遷のみで地域的動向はあまり。見えなかった、なお1941年6月に中央融和事業協会が同和奉公会に改称し、それが戦後に連続するというのも初めて知った。なおあとがきで著者が大阪人権歴史資料館学芸員として全国水平社展を担当したことが記されるが、その後の館の動向(大阪市によるひどい仕打ち)については触れられていない。

筑摩書房 全国水平社1922‐1942 ─差別と解放の苦悩 / 朝治 武 著