wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

歴史学研究会編『震災・核災害の時代と歴史学』

七月に突入したが予定表は六月と変わらずぎっしり詰まっている。節電というなら授業時間を削るか高校以下のように九月はじめから授業再開にすべきなのだが・・おまけに本日の非常勤先は、何か裏からの指示でもあるのか邪推したくなるほどクーラーは効いている。そういうわけで電車読書は続き、書店で見かけ3.11の記録として購入したもの。史料保存に関する具体像を論じたものはいろいろ興味深かったが、原発歴史学と題した論文は概説と断片とありがちな一般論であまり面白くなかった。その中で加藤哲郎「占領下日本の『原子力』イメージ」、戦後日本で原子力がいかに肯定的に評価されていたかを示しているが、これも大衆文化と左派研究者を一緒に俎上に上げて統一は見られない。戦後史自体もまともな議論が少ない中、原発に対してそれを求めるのも酷なところというのが、歴史学会の現状なのかもしれない.。やはり環境史的視点が完全に欠落しているため、エネルギー問題や三陸の水産基地化などが評価できていないのが問題。やるべきことはいくらでもあるはずなのだがhttp://www.aokishoten.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-250-21206-2。五月後半から時間をかけてつくった公募書類の不合格通知がはや届いていた。危惧したとおり時間の無駄になってしまった。