wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

京都考古資料館「平清盛ー院政と京の変革」

本日は3daysチケットの最後を利用して京都へ。せっかくだから午後は京都観光に使おうかとも思ったのだが、来週の報告に向けて調べ物もあったので、せめてということで表題展示のみ見学したhttp://www.kyoto-arc.or.jp/museum/。展示スペースは小さかったが、西八条・法住寺殿・鳥羽殿・白河の出土品や京内出土の貿易陶磁が並べられており、さすが長年の発掘の成果。しかも入館料無料にもかかわらず、小さいとはいえ展示品およびパネル全てをカラー写真に収めた豪華パンフレットまで配られておりありがたい。その上に古代の窯跡から御土居まで16ヶ所の発掘調査成果と地図が収められた京都歴史散策マップが一人三枚までもらえる企画まであり、ベタに平安宮跡・岡﨑白川・鳥羽離宮跡をせしめてきた。後者の企画もありいつもよりは人は入っていたようだが、それでも膨大な観光客と比べると微々たる数。多数の発掘調査件数と重要な成果を持ちながら、発信力をもたない考古学研究を象徴している。せっかく優秀なスタッフがいるのだから少しは改善できないものなのだろうか。歴史博物館企画も棚上げされたままで、何もしなくても観光客は集まる故に、京都市としてちゃんとした歴史像を示す努力は恐ろしく欠けてしまっている。調べ物のほうは段取りが悪く中之島・市立中央・府立中央を廻ったあげく、ないということが確認できただけで前向きの成果は得られず。講義も軌道修正が必要なようで、報告は羊頭狗肉に終わりそうだ。