wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

美濃・信濃旅行記

9月20日朝6:20に自宅を出て、在来線を乗り継ぎ岐阜まで出て、バスで関市へ。市立図書館で鉄座に関する文書が掲載されている自治体史をコピー。なお今更ながらここが刀剣関係の刊行物をもっともまとめて閲覧できる環境にあることを知る。その後はひたすら町歩きで中世の町場と近世に隆盛した街区を確認するとともに(なお行政上は関村)、関鍛冶伝承館https://www.city.seki.lg.jp/kanko/0000001558.htmlなどを観覧。発掘調査で中世の鍛冶工房も検出されているらしい。ただし観光客は数人で、シャッター通りが延々と続く。ところが唯一営業していたうなぎ屋は外からは信じられないほどの大繁盛で、2610円の並盛り天然ウナギを味わう。

f:id:wsfpq577:20190922230840j:plain

鎌倉期に二階堂氏を外護として建立されたと伝えられる新長谷寺(境内は撮影禁止のため外からの写真)

続いて、長良川鉄道美濃太田へ向かい1時間ほど余裕があったため宿場町を足早に散策。中津川から特急に乗り木曽福島に19時過ぎに着き、おばあさん一人でまわしているらしい旅館に宿泊。21日は朝から木曽福島を散策、関所跡の発掘調査では戦国期の美濃が出土しているらしく、中世に由緒をもつ寺院もちらほらあるのだが、木曽代官山村氏館をはじめ、近世に覆われてしまっているのが残念。

f:id:wsfpq577:20190922231726j:plain

木曽福島関所跡、発掘調査を実施して整備されたもの

続いて特急で立ったまま塩尻まで行き、各駅で茅野駅に。十数年前に訪れているが再び諏訪上社を少しだけ散策。山沿いに鎌倉道と看板のあるものを少し歩くが、実態は専門家に尋ねても不明。それというのも午後から諏訪市博物館で科研の文書調査。相変わらず余計なことばかり口走りながらいろいろ勉強させてもらう。みなさまありがとうございました。なお同書で開催されている企画展「仏法紹隆寺ー諏訪の真言道場 古刹の歴史」では『沙石集』の最古写本・鎌倉の醍醐寺法流の聖教などが展示され思わぬ掘り出し物でおすすめhttps://suwacitymuseum.jp/event/exhibit/7.html。調査は明日まで続くが当方は講義が始まるため途中で抜け帰阪。なお諏訪は長袖でも寒いぐらいだが、新大阪はむっとした暑さ。この間の全国的傾向なのだろうがやはりうんざりするところ。