wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

冬休み総括

年末にダラダラとしてしまいようやく本年度の授業準備にめどがついた。やはり現代史を一から作るのはなかなか骨の折れる仕事となった。主に参考にしたのは宮本憲一『経済大国』小学館文庫版(かなり前に一度は読了)・加瀬和俊『集団就職の時代』青木書店・武田晴人『高度成長』岩波書店(出版時に読了)・渡辺治編『高度経済成長と企業社会』吉川弘文館・荒川章二『豊かさへの渇望』小学館・岡田知弘ほか編『高度経済成長の時代2』青木書店。全体構成は渡辺説を主軸にまとめたが、本として興味深かったのが唯一の通史シリーズではない『集団就職の時代』で、豊富な統計資料を駆使して都市・農村間の格差と大企業・中小企業の格差と学歴格差が重なりながら展開していく様相が明らかにされていて大変勉強になった。なお何れの通史類でも三井三池争議に象徴されるエネルギー転換については取り上げられているが、薪炭需要の激減については触れられていない。環境史だけに止まらず、山間部から海岸部の人口移動(岩手県などはもろにその結果のような気がする)という点でも重要な転換だったと思うのだが・・・。明日から仕事とはいえ23日から試験採点地獄までは少し余裕ができる。冬休み中に取り組めなかったDB作成を少しでも進めなければならない。