wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

奈良国立博物館『天竺へ』

昨日は久しぶりに京都の研究会へ行き(半分以上は知らない顔だったが、20名以上はいた)、あれこれしゃべってしまう。その後の飲み会でいろいろ話したのはよかったのだが(聞いている方は迷惑?9/11は別の研究会で報告しなければならず行けませんが、とにかくご健勝に)、帰るタイミングを失い終電になってしまい、風呂から出ると一時を回っていた。そういうわけで体力的にはかなりきつかったが、何とか八時に起きて奈良に向かい表題の展覧会を見学するl。院生時代に刊行された続日本の絵巻シリーズで「玄奘三蔵絵」は購入しておらずじっくり見たことがなかったが(当時の意識の低さがよくわかる)、改めて熟覧すると大変興味深い。鎌倉時代の日本の絵師が、七世紀の玄奘による唐から天竺への旅という時間も空間も越えた物語を図像化したもの。一つ一つのパーツが何を種本にしているのか考えながら見ていたが、飯は椀飯盛にしながら他の並びは異なる、華やかな袈裟・青磁騎馬民族風の旗などモンゴル時代の文物のちりばめ方、それぞれの地域で異なった烏帽子風のものを着用させるなど、絵師の工夫と情報源がいろいろと想像される、本格的な研究はされているのか気になるところ。同時開催されている長谷寺鎮守の与喜天満宮展も、鎌倉の立派な神像や、長谷寺・速成就院で書写され称名寺に伝わる聖教など興味深いものが見られた。客足も超満員というほどではなく、午後からの非常勤前で時間は限られていたが充実した時間となったhttp://www.narahaku.go.jp/exhibition/special.html。台風が接近している。昔なら休講になればうれしかったのだが、今時は変なところに補講を入れられるとかえって迷惑なため、天気予報が気になるところ。