wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

「建国記念の日」不承認2.11大阪府民のつどい

今朝は宅配便が届いたと思ったら、昨日に大学に送った成績報告書だった。着払い伝票の依頼主のところに大学の住所が印刷されているのに全く気づかず、空白だったお届け先に自宅の住所を書いたためで、料金を支払う羽目になった。後から考えると受け取り拒否にすれば持ち帰ってもらえたような気もするが、受け取ってしまったため雪の中もう一度送りにいく。午後は表題の集会に参加する。学部時代から歴史学徒の義務として習慣化されており、記憶にある限り一年を除いて必ず参加している。もっとも「定着しているのに、歴史の真実をあばくことに何の意味があるのか」(2.11のことではないが趣旨は同じ)と発言した一応は後輩に当たる院生がいたほどで、時代は隔世の感があるが(学会の委員のようでもないし、何故に彼は出席していたのだろうか?)。例年と異なるのはまず大阪センチュリー楽団のカルテットによるコンサートから始まったところで、橋下府政による補助金カット政策との関係から招かれたようだ(4月から名称も変えて府からも離れた組織に衣替えするということ)。音楽界でも学問の世界と同じく海外留学経験のあるような人でも職をみつけるのが困難なようで、本当に人材を無駄にする国になってしまったものだ。メインの講演は高木博志「天皇陵・世界遺産紀元節近現代史から考える」というもので、近代天皇制国家樹立過程で創出された歴史的事実に基づかないものが、戦後も十分に見直されることなく無批判に継承されてきたことを述べたもの。百舌鳥・古市古墳群天皇陵のまま世界遺産登録に進めているというのは初めて知ったが、見学できないものをユネスコが認めるのだろうか。また戦前の史跡の半数以上は明治天皇聖蹟だというのも初耳でいろいろ学問的には興味深いものだが、レジュメからすると飛びすぎで初めてこの問題に触れる人びとにはどれだけ理解されたのかは少し疑問。休憩後の討論は府職労のあまり内容のない橋下批判以外は、講演への質問だけで例年のような運動的観点の発言がなく、集会宣言も政治が前面に出たものではなかった。集会に参加するのみで、準備過程には全く関与していないが、何らかの変化があったのかもしれない。人数は雪の割にそこそこ集まったようだが、あるいは昨年の閉会挨拶の混乱や若手学会員の意識が影響しているのだろうか。