wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

保立道久『かぐや姫と王権神話』

前半部分は全く意図がわからず、途中で読むのをやめようと思ったほど。本人も述べる「前方後円墳が火山を象徴するものであるという前代未聞の仮説」など、なぜそういえるのかよくわからない部分も多数。後半の求婚者が象徴するものから諸階層を提示した部分は興味深いのだが、結論とは結びつかず。終章で述べる物語の成立と神道の成立が同時並行的で、東北アジア共通の神話から、日本独自の宗教スタイルへの分離という評価も意味があるのかもしれない。ただし『竹取物語』がいきなり完成形になったいう前提は本当に正しいのだろうか疑問。とにかく飛び飛びの電車読書では著者の構想を理解するまでには至らなかったようだhttp:///www.yosensha.co.jp/book/b67871.html。それはさておき今日から月曜授業の始まり。電車を12回乗り継いで2大学を回ることになる。奈良のほうはそこそこやりやすい雰囲気だが、当初予定の史料演習はレベル的に困難なようで、今週中に方針を練り直さなければならない。いろいろ周りの探検もしたいところだが、後が詰まっており、午前中に計画するしかない。夜間のほうは通年授業で近世・近代で14回分の授業準備が必要となる。それにしても今日は蒸し暑く、電車に間に合うように走ったこともあって(結局間に合わず15分待ち)、かなり汗をかいてしまった。今の季節はなかなか難しいところ。明日も3コマでノドだけは大事にしたい。