古田和子編著『都市から学ぶアジア経済史』
明日は選挙だが、本日も「日常」を求めての家捜し。駅近で広い・閑静で格安の二物件で迷いどころ、とりあえず来週の仕事帰りに夜の雰囲気を確認することに。そんなわけで先日書店で衝動買いしてしまっていた表題書を読了www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766425970/。 タイトルと蘇州・ブネー(インド)・バタヴィア・シンガポール・登州(山東半島)・上海・長崎と高島炭鉱・香港・台南・羅津(朝鮮北部)・深圳・バンコクーホーチミンと12本の論考(カッコがあるのは当方のイメージが全くなかったところ)で2000円と格安なのに惹かれたもの。ただし岸本美緒氏を除くと経済学系の研究者による執筆のため、統計は多用されるが、地図がほとんどないことに代表されるように、当方の関心とはややずれがあり、講義に有用な資料も得られなかった。なかには個別論文としかいいようのないものもあったが、高島炭鉱をめぐる三井・三菱が福澤や政治家を巻き込んだ駆け引きは興味深く、選挙がなく政治家による個別要求にこたえる必要がない帝国日本の植民地官僚による経済開発の実態も勉強になった。