wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

西村成雄『中国の近現代史をどう見るか』

本日はルーティン姫路。少し涼しくなったと思っていたら非常に蒸し暑く、いつも以上にフラフラになりながらなんとか業務。相変わらず往復はグッタリしているのだが、だいぶ前にシリーズものの最終巻ということで、衝動買いしていたものをようやく読了https://www.iwanami.co.jp/book/b287525.html清朝乾隆帝譲位・嘉慶帝即位の1796年から、中華人民共和国WTC加盟の2001年までの約200年の政治・経済の動きを、清朝中華民国中華人民共和国という一国的な「王朝交代史観」ではなく、グローバル・ヒストリーの中におき、その連続と断絶の様相を位置づけたもの。中国国民党共産党の党=国家体制の連続面はすでに通説になっているようだが、清朝からの流れの中に位置づけられ、いくつかの図表もなかなか興味深い。ただ後期の講義に取り組むのには少し難しそうな気配。なお興味深かったのが、ここ数年に中華人民共和国内で刊行された研究書が参考文献として多数取り上げられていたところ。1980年代からの中間層の成長が描かれており、理工系の発達はよく耳にするが、人文・社会系についても重厚な研究が積み重ねられるようになっているようで、統計も信用できるものになっているのだろう。愚痴と視野狭窄な言説ばかりが目立ち、歴史に省みることすら止めたようにみえるこの国(当方が学位を所得した大学も消滅するようだ)との違いは歴然となっているようだ。