wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

元木泰雄さんのこと

突然の訃報に驚き、本日のお通夜に参列させていただく。ここ一年ほどは闘病生活を続けられていたとのこと。当方が大学院に入ったころ、大阪歴史学会の編集委員をされていたということもあって、何度か飲みに連れて行っていただいた。ホテルのバーに入ったのもそれが初めて。そのせいか大先生のイメージが最初からあったのだが、まだその頃は30代半ばだったよう(本日同級生の方にお伺いしたところによると、学部生時代から教員に見間違えられるほどだったらしい)。その後、大きな接点があったのが、2010年刊行の『新修神戸市史歴史編Ⅱ古代・中世』(いつの間にかデジタル公開されている)。執筆者に穴が空いたということで、前年春に市沢哲さんのご推薦で当方が選ばれ、監修者だった元木さんから直々にお願いしますと言われ、恐縮至極だった。その時点で大輪田に関する論文1本しかなかったが、空前絶後の夏休みの突貫作業で何とか仕上げることができた。監修者としていくつかご意見をたまわり、満足していただけたかはわからないが、自分なりの兵庫のイメージをつくることができ、当方には大変有意義な機会となった。学会とは距離を置かれていたこともあって、最後にお目にかかったのがいつだったのかも記憶にないが、精力的なお仕事を続けてこられているのを横目で見ていた。門下生も多数育てられ、コンセプトそのものには不満はあるのだが、『京都の中世史』はその集大成というべきもの。とにかく学恩に感謝し合掌。