近所の映画館で1週間限定上映があったので、サービス・ディを利用して観覧。北アイルランドのホーリークロス男子小学校での校長を中心とした「暴力の連鎖」をとめるための教育実践(科目は「哲学」)についてのドキュメンタリー。舞台となった町は1970年代・80年代に暴力があふれ、1998年の和平合意後も「平和の壁」という名の分離壁があり、家々の壁の落書きからもすさんだ状況がみてとれ、卒業生にも麻薬売人・自殺者が少なくない、学校も巻き込まれたことがあり、扉はシャッターで締め切れるようになっている。そうしたなかで、片親家庭の子どもの不安・喧嘩などに向き合い、どうすれば前向きな気持ちになれるのか、怒りが制御できるのか、といった問いに向き合う子どもたちは健気で、教育実践としてもできる限りの努力が行われているのだが・・・。日本の作品なら若い頃にはいろいろあったらしい校長の人生をメインにした感動作品にするところだろうが、ここではあくまで現実が映し出され観る者に問いかけられている。なお後半はコロナ休校・再開後に学校で、消毒はやたらと熱心なのだが、マスクは子どもは皆無、保護者・教員のほんの一部のみという状況だったらしい。