本日はルーティン姫路。退職までに有休を処理しないといけないのだが、朝用の回数券を残しておりいつもの6:49発。ところが三ノ宮まで座れず電車読書が思いかけず進行。国立公文書館館長を務めた方というので衝動買いしてしまったもの。ところがいきなり縄文時代から日本語が存在したと言いだし、「朝鮮の史料では二~三世紀にかけて、日本がたびたび朝鮮半島に出兵していた」とか、遣隋使を派遣した際に「日本は朝鮮半島の日本領を侵略する新羅を討つべく朝鮮半島に派兵しており」とかめちゃくちゃな叙述。このあたりは参考文献もないので新書編集部松田健氏の責任なのだろうが、続いて記紀の記述より早い時期に日本文化圏に漢字が浸透していたというのは、西尾幹二『国民の歴史』に依拠したものらしい。何しろこのあたりは小野則秋氏に依拠した部分以外はほぼ妄想。続く中世ではいかにも出版が隆盛していたような描き方で、近世では日本の識字率が高かった自慢。あげくの果てには江藤淳のWGIPで完全なネトウヨ。苦痛のなか読み進め、あとがきによると大学の現役の仕事をやめるころから目覚めたらしい(それで国立公文書館の館長だったのか)。なお戦後の図書館についてもなぜかアメリカの図書館理念は評価、司書の地位が低いことを願いそれは労働組合のせい、その割にCCCの評価は高く本書もTRC社長のすすめとのこと。全体的になにをいっているか意味不明。多数の編著もあるようだが、図書館学そのものにもあきれはてるレベル。