転居先は衛星放送がはいるため、正規の料金を支払い、レコーダーも取り付けた。とりわけBS世界のドキュメンタリーは寝酒の時間にちょうどよくはまっている。しかし昨日観たNKK制作のものは、明らかに意図的に事実を隠蔽していた。19:00衛星第一の故大林宣彦から後を託された四人の映画監督の話を交え、晩年の作品を紹介する作品の場合。晩年の戦争作品の背景を、3.11とトランプの映像を示すだけで、安倍政権・2015年の安保法制には全く触れられず。故人の「うかつだった」という発言に後者が含まれることは明白なのだが･･･。また21:00地上波放送の戦国日本は（視聴は就寝前）、平戸オランダ商館日記など遙か昔に日本語訳されているものを新史料扱いするなど全体的にも誇張が多い。その中でも国際的な銀のネットワークの成立を主題としながら、中国（明）の存在には全く触れられず、銀と大砲の交易のみが取り上げられる。登場する専門家はポメランツでそれを語らないことはありえないのだが、どれだけ切り貼りしたのだろうか。前回とあわせて全世界を植民地化しようとするヨーロッパと、それに対抗する軍事大国日本という「ニッポンすごい」番組にするため、それにそぐわない事例は切り落としたのだろう。ちょうど講義科目と被ってしまっており、本日の課題「江戸幕府とオランダ東インド会社の関係と商品について」にも実害を受けかねない。ニュースの隠蔽はすでに常態化しているが、ドキュメンタリーでも安倍政権と中国経済はタブー視されているようだ。
