wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

細見和之『フランクフルト学派』

本日は地下鉄・阪急がダブル遅れで、いつも節約のため25分歩くところをバスに乗る羽目に。その上に講師控室のコピー機まで故障していてあせったが、ぎりぎり講義開始時間に間に合った。午後は河原町丸太町に行き、ようやく中世文書本体の目録取りが完成。本年は諸事情であと一回のみ、来年度は京都での仕事も失うので、とりあえず写真のコピー取りに残された時間をあてる。来週末報告のレジュメづくりにも手が付けられていないのだが、月曜日に読了した電車読書の備忘http://www.chuko.co.jp/shinsho/2014/10/102288.html現代思想には全く疎いのだが、何となく衝動買いしてしまったもの。マルクスフロイトの思想を統合したというフランクフルト学派について、その始まり、メンバーがユダヤ系ドイツ人だったためナチスから逃れての亡命(多くがアメリカに渡ったが、パリに亡命したベンヤミンはスペイン国境警備隊に捕まり服毒自殺を遂げたという)とそこで培われた「批判理論」、袂を分かちアメリカに残ったフロム以外は、戦後西ドイツに戻り、アドルノによる「アウシュヴィッツのあとで詩を書くことは野蛮である」(当方もその言葉だけは知っていた)という言説の意味、第二世代の代表としてのハーバーマスの位置およびルーマンフーコーデリダとの関係、その後の展開が、「です、ます」調の平易な言葉で整理されており、素人が何となく分かった気にさせてもらえた。ここで述べられていることがどれだけスタンダードなものなのかは判断できないが、少なくとも読書体験としては有益だった。それにしても戦後日本が近代民主主義・マルクス主義から始めなければならなかった(しかもまたもや立ち戻らなければならなくなっている)のと差はとてつもなく大きいようだ。、