wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

京都春期非公開文化財特別公開・清浄華院

本日午前中は通常通りの講義のために京都へ。天気が悪かったこともあり行楽客も先週ほど見られず、いくつかの大学も休みだったようで、いつもより空いていたが行きも帰りもマナーの悪い遠足とおぼしき私服の男子高校生と一緒になってしまった。席に座っているのだから少しはおとなしくできないものか。講義後は図書館で文献を確認し(ほんのわずかに成果があったが全体像は見えなかった)、表題の情報を見つけたため市バスで府立医大病院前に向かうhttp://www.kobunka.com/hikoukai2012har.html清浄華院は鎌倉後期からある浄土宗寺院で平安の不動明王東山御物だったという由緒を持つ宋代の阿弥陀三尊画像などをもつが、お目当ては室町期成立の泣不動縁起絵巻。園城寺智興上人の病を安倍清明が祈祷で智興弟子の証空にうつすが、苦痛で不動明王の画像に願ったところ身代わりになって地獄に向かうが逆に閻魔大王が平伏するという物語を図像化したもの。原本で展示されていたのは晴明の祈祷を描いたHPの場面ではなく智興の屋敷だが、近世に狩野永納が模写し霊元天皇が寄進したというものが全部広げて展示されており、ケース越しとはいえ10㎝の距離から熟覧することができ非常に興味深かった。なかでもトイレらしき場面を発見したのは大きな成果で思わず声を発したため、声をかけてきた寺僧に話したがあまりいい顔はされなかった。まあこちらが満足すればそれでよいだろう。その他に室町期の文書などもありいろいろと勉強になった。夜の非常勤では事前に事務に頼んでおいたことがされていないなど、相変わらずろくなことはないが、つかの間の楽しみとなった。写真は昨年撮影した境内にある天明大火の供養等。
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