wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

京都市歴史資料館「祇園祭と町の風景ー館蔵品をひもとけばー」

文博を12時過ぎに出て途中のコンビニでアイスを補給。そのまま表題の展覧会へ。中世以来の系譜をひく小舎人雑色4家のうち、荻野家所蔵文書が館蔵品になっているとのことで、祇園会山鉾の御鬮札(所司代の花押と「~番」、後に町奉行になり、現在は番号だけであとで「八坂神社」印のものと交換とのこと)をはじめ、近世の職掌にかかわる勧進能・葬送・籠屋などに関わるものがあり興味深い。大工家に伝わる指図・鉾町の家の伝来品などもあり。なお主目的は淀がらみの近世文書。稲葉神社文書は淀の特異な位置づけ、葭島と河漁など、本格的に誰か研究してほしいところだが、寺社・淀舟などの由緒は秀吉・家康がらみの文書で、中世が全く参照されず、石清水についても八幡・山崎の社家への言及がある程度。宇治川分離など秀吉による改変の大きさを改めて実感。ありきたりの「ないということがわかった」という成果。

京都市:歴史資料館の御案内