wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

樋口健太郎『摂関家の中世』

本日は自治体史の対面会議(一人のみZOOM)。本年度末に向けて課題は山積み。帰宅時点で半分近く残っていたのだが、明日の高速バス乗りの荷物を軽くするためもあって表題書を読了。成立から豊臣摂関家の滅亡と近世までを、摂関という職掌に焦点を当てて論じたもの。外戚天皇の後見→院の指示を受けての内裏内の天皇の後見・補佐→12世紀末からの武家との媒介→道家失脚後の即位灌頂のような天皇作法の創出→足利将軍への公事師範→流転する将軍との一体化による武家化→武家関白としての豊臣氏江戸幕府の意向を受けて禁中の取り仕切り、という変遷が示されていて「政務」という用語にやや疑問は残るが趣旨は明確。また院政期の政治を摂関の動向から説明するのを著者ならではの力業。もっともすっかり記憶力の落ちた身としては多数の人名について行くのはなかなか困難だったのも事実・・・。摂関家の中世 - 株式会社 吉川弘文館 安政4年(1857)創業、歴史学中心の人文書出版社 (yoshikawa-k.co.jp)