wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

石川禎浩『革命とナショナリズム』

岩波新書の中国近現代史シリーズの一冊で、孫文が亡くなった1925年から対日戦争に「惨勝」した1945年までを扱う。この間の日中関係を日本史研究者が見たものは結構読んでいたが、中国史研究者が書いたものは中央公論社『世界の歴史』シリーズ以来。新史料の発掘が進んでいるようで、国民党・共産党(およびそれに大きな影響力を及ぼしたソ連)の詳細な内部構造に触れられており、いろいろと勉強になった。また日本のとる行動がことごとく共産党に有利に作用している点は、思わず笑ってしまうほど。中国ナショナリズムにおける抗日・半日の重要性を改めて知ることができたhttp://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1010/sin_k553.html。日曜日は研究会で一出席者にもかかわらず好き勝手なことをしゃべり、飲み会でもめずらしく自分の構想を披瀝して、まわりの方々の意見をいろいろと聞くことができた。中世都市に関する自身の理論的整理を軸にした論文執筆の意欲がわいてきたところだが、相変わらず授業準備とカード整理に時間をとられ全くめどが立たない。とくに今日は総計で300人以上に文章を書かせて、集めたため目を通すだけでかなりの時間になってしまう。来年はやめようかとも思うが長年続けており、一方的講義の中で自分へのフィードバックになっており、やはり必要なのだろう。論文執筆の方は冬休みにならないと無理だが、締切の過ぎた某論集のテーマは変えたほうがよいかもしれない。