wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

天理参考館「よみがえるヤマトの王権」

非常勤先の「近所」行われていた展示http://www.sankokan.jp/index.html。行く前にはなぜ非常勤なのにタダで入れないのか、まあ40分ぐらいあれば一通り見ることができるだろうと、なめてかかっていたのだが、とんでもないところ。常設展示だけで2階まであり、アイヌ朝鮮半島・中国・台湾・バリ・ボルネオ・インド・メキシコ・日本人移民・日本の庶民史料と幅広く、民博レベルのもので到底見きれない。それぞれに映像資料も付属しており、じっくり見たら恐らく半日はかかると思われる。先週の図書館展示も圧倒されたが、そちらはコレクションの充実はまだ事前にわかっていたため、それほどでもなかったが、こちらは不勉強で想像していなかったため本当に驚かされた。常展図録を購入したところ、来年度初頭からはじまるの展覧会の招待券をもらったので、今度はじっくり回ろうと思う。なお一つだけ印象深かったことをあげると朝鮮民家(両班層と思われるが)に男部屋と女部屋が明確に区別されていた点で、儒教の影響という説明があったがもう少しいろいろと考える余地があるように思えた。なお3階の一室で行われた表題の特別展示は50年近く前に実施された東大寺山古墳の調査報告書が今年刊行されたのを契機に行われたものらしく、後漢年号「中平」の刻まれた鉄刀の出土で著名な遺跡の遺物が展示される。鉄刀の現物がさびを残したままのところは少し驚いたが、これが一番よい保存方法なのだろう。それいがいにも埴輪・腕輪など大量に出土品が並べられていたが、なにしろ時間がなくて駆け足出回ったのみに終わり、もう一室の世界の考古美術展示はみることすらできなかった。まあ次に見る楽しみができたと言うことにしておこう。夜の授業ではPCがプロジェクターに表示されず、マイクは途中で電池切れになるなどトラブル続きで、ぎりぎりまで授業をすることになった。大汗をかきすっかり疲れてしまったが、明日から三連休で少しは勉強したいところ。