wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

宇治市太閤堤発掘調査現場公開ほか

本日午後は3dayチケットの三日目を利用して「最後の京都観光」第三段に充てる。まず月曜日にたまたま非常勤先で見かけたちらしにつられ、地下鉄・近鉄・京阪を乗り継いで宇治に向かい、太閤堤発掘調査現場公開を見学するhttp://www.city.uji.kyoto.jp/0000010419.html。通常は現説以外で調査現場を見ることはできないが、ここは現在の宇治川堤防から見下ろせる位置にあり、作業を邪魔せずに部外者が見学することができるため、公開されているもの。以前に国史跡として保存が決定される前に講演会でスライドはみたことがあったが、現物は初めて。石組みが並ぶのは圧巻で、大規模な河川改造を進めた秀吉だけのことはある。本来の意図は宇治の機能を伏見に集約させるためのはずだが、観光資源として今後も整備されるようで、少しは宇治への罪滅ぼしになったということか。続いて京阪で東福寺駅まで戻り、秋の非公開文化財特別公開の対象となった法性寺の千手観音菩薩立像他を拝観する。法性寺は藤原忠平建立のものだが、どうも案内人の説明によると廃寺になっていたものを近代になって再興したようで、平安仏がどこに所蔵されていたのかは説明されず。なお公開事業を統括する団体がHPで引用する新聞記事によると忠通が難病にかかり治癒を祈願して成就したと記されているがhttp://www.asahi.com/travel/kobunka2012/map/OSK201209280041.html、現地ではその説明はなくそもそもどういう根拠のある伝承なのかも未確認。続いて市バスで東寺に向かい、宝物館で展示されている弘法大師行状絵巻を観覧する。伽藍には多数の観光客がおり危惧したが中はガラガラで絵巻をじっくり観覧することができた。ちゃんとチェックしていなかったが、作事現場に関する興味深い画像が描かれており思わぬ発見があった。続いてバスで島原口まで出て気になっていた惣門に向かったが、中の建物は期待したほどではなかった。その上に歩いて梅小路まで戻りバスで七条京阪に向かったが、後から考えると逆方向で阪急を利用した方がよかったようだ。それでも通り雨も逃れて秋の一日を過ごすことができた。写真は太閤堤とせっかくだから惣門をあげておく。イメージ 1
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