久野修義『重源と栄西』

講義としてはもう通り過ぎているのだが、学生へのレポート課題としてどうかという観点で読了したのが本書http://www.yamakawa.co.jp/product/detail/1988/。著者は当方の学部時代の先生だからというわけでなく、純粋にブックレットとして非常によくできている。重源と栄西の足跡を近年の対外交流史研究の成果を取り入れながら概説するとともに、伯耆大山の伽藍配置といった隠し球を入れ、内乱という体験を経た新たな仏法興隆という著者年来の主張を最後に押し出すスタイルが見事で、個人的にも見落としていた史料を知ることができ有益だった。これなら十分に学生の課題図書にすることができるだろう。本日は非常勤先の昼休みに来年度シラバスを入力をしようとしたのだが、なぜかパスワードが変更されておりすぐに修復できないということ。シラバス・試験問題作成が一気に押し寄せているのに、思いがけない時間ロスになってしまった。思い通りに行かないものだ。