wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

坂江渉編著『神戸・阪神間の古代史』

昨日に読了も、実家に寄ってアルコールが入っていたため(南海の冷房は相変わらず寒かった)、本日の仕事終わり(月曜6間授業の14回目)に持ち越し。摂津国のうち西摂地域(中世後期では下郡)の地域史について、古代史を専攻する編者と7人の執筆者で29のテーマと総論3編からなるもの。当該地域の中世史についてはいろいろ勉強してきたつもりだが、その前史となる古代史については全く不勉強だったことを気づかせてくれた。記紀の伝承の解釈には正直ついて行けないものもあったが、地名の由来や人の動きを考える上ではやはり必要なのだろう。これらが中世社会にどういう刻印を残しているのか、改めて考えなければならない。なおそれぞれの文章の最後に執筆者が記されているため、読み進めながら予測するのも楽しみの一つ。全執筆者8名のうち考古学者1名を除いて面識があり、最初はウミガメ・王名・災害など簡単に分かったのだが、後半部分は外れまくりで、みなさんが色々引き出しを持っていることがよく分かり、それも勉強になったhttp://www.kobe-u.ac.jp/info/book/1104_03.htm。昨日早くも梅雨が明けたようだ。あと三週間続く授業とその後の採点を乗り切らなければならないと思うと、やはり気が重いところ。