wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

近江観音寺城下町

本日は研究会で朝から近江観音寺城下町に向い、旧説・新説を確認しながら見学会。石寺城下町の極端な山への張り付き方は、普通の村落とは異質な雰囲気が実感できた。山裾に設けられた平坦地を歩くが、ある段階で竹が植えられた後に放棄されたらしく、すでに宍除けの柵を越えないといけなくなってしまっていた。途中にはくぬぎ林も見えたため半分は燃料、半分は竹林として利用されていたようだが、もはや単なる藪になっている。山林資源をこれだけ無駄にしておきながら、日本は資源がないとよく言えたものだ。それはさておき削平地の規模は大きく、あちこちに石垣も見られる。近世に構築されたものもあるようだが、中世に遡るものも少なくないらしい。山下の六角屋敷とされている場所には見事な石垣がならび、専門家によると16世紀半ばまで遡ることができるという。寺院技術を受け入れた近江は石垣の先進地帯ということである。山上には上れなかったが(一部の方は行ったようなので行くべきだったのだが)、十分に堪能することができた。午後は安土城考古博物館に移り研究会http://www.azuchi-museum.or.jp/。博物館は久しぶりだったがそれなりの入館者があり、授業スライド用の図録も多数購入できた。研究会のは一部の報告には少し疑問があったがいろいろ勉強になり、充実した史料集ももらえた(討論で予想外の指名を受けたのは焦ったが)。飲み会でもいろいろな方と話ができ、少し遠かったがよい休日となった。写真は例の石垣の隅石部分
イメージ 1