wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

堀内隆行『ネルソン・マンデラ』

本日は公務出張、このところいろいろありすぎて準備不足の感は否めなかったが、いろいろ成果あり。ただスマホ万歩計で32570は暑さもありさすがに疲れた。そんななか講義のこともあって衝動買いしていた表題書をようやく読了。アパルトヘイト撤廃後に南アフリカで黒人大統領となったマンデラの出自から死後の評価までの伝記。ネルソンがメソジスト派(ちゃんと明記はされていない)のアフリカ人女性教師によって命名されたイギリス風のもので、その後のイギリス流教育、ヨハネスブルクの弁護士助手、南アフリカ共産党、カラード系のトロツキストなど諸党派との関係、反アパルトヘイト闘争、獄中とくに後半でのアイコン化、大統領時代、貧困層を置き去りにした新自由主義政策と晩年の慈善事業と、功罪交えて紹介。人たらし・柔軟なプラグマティズムの一方で、欧米諸国にとって優等生としてふるまうことで経済的不平等を放置したという。ただあとがきで鄧小平となぞらえるのはよくわからなかった。

ネルソン・マンデラ - 岩波書店