wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

室町バブル・・・

本日午前は組合の発送作業。一度自宅に戻ってからクリーニング店に寄ると、ズボンの破れを指摘される。何か違和感があるまま放置していたが、恥ずかしい格好で動いていたらしい。一応修理を頼んだがもうヨレヨレ。ここ一、二年のうちにワイシャツ・背広の劣化がずいぶん進んだ。買い換えようにも来年の仕事の目途も立たず、問題を先送りするしか打つ手がない状況。そのまま講義準備のために借りた本を図書館に返しに行き(明治日本は不平等条約のおかげで、国際特許に縛られず模造機械を製作できたというのは初めて知った)、雑誌コーナーを物色しているととんでもない大発見。『東京大学日本史学研究室紀要』第18号(2014年3月)に紹介されている「高倉永豊記」がすごすぎる。和泉から鯛・蛸・ヒシコ、因幡から鮎鮨・筋子などの海産物から、近郊の藁草・大根・牛房まで、ものの動きのオンパレードで、越前からの美物のカラクリまで記されている。最近つとに思うようになっているのだが、室町というのは寒冷期の飢饉というより、むしろ京都周辺はバブルに湧いていて、それが産業バランスを崩してしまったというのが実態ではないか。どうやら現在の日本経済もごく一部にバブル景気があるということで、とりのこされた部門のしかも最底辺に位置する我が身には、当時の大多数の民衆と同じく関係ないのだが・・・。