中西裕樹編『高山右近』

本日は三週間ぶりに火曜3コマ。朝から地下鉄はわざと遅らせ、ノドはボロボロ・カードもボロボロでかなり疲れる。電車読書のほうは思いがけずに手に入れた表題書（諸氏に御礼）をだいたい読了http://www.miyaobi.com/publishing/products/detail.php?product_id=823。高槻を拠点としたキリシタン大名である高山右近について、その足跡、三好・織田・豊臣といった武家権力との関係、黒田官兵衛・小西行長・内藤ジョアンなど同じくキリシタン武将との関係とキリスト教に対するスタンスの相違、高槻城跡におけるキリシタン墓地の発掘など考古学からの接近などの諸論攷でまとめられている。当方はこの分野に全く知識がないのだが、いろいろ勉強になった。また現在抱えている講義で利用できるカラー図版はありがたいところ。何より驚いたのが、秀吉の伴天連追放令発布の契機に右近問題が絡んでいるという新説。少し見極めたいところだが、イエズス会史料には未公開のものもあるとのことで、今後も議論が続くのかもしれない。それにしても戦国・織豊政治史の進展はめざましく全くついて行けないレベルになっている。